ジョージ・ギッシング

イングランド北部のヨークシャー・ウェイクフィールドに生まれる。生まれながらの秀才で古典教養も深かったが、マンチェスターにあるオーエンズ・カレッジ在籍時に、街の女を助けるために窃盗を犯し、学者としての人生を棒にふった。その後一時期渡米し、シカゴ・トリビューン誌に短編を寄稿していた時期がある。最初の結婚は夫人のアルコール依存症などで失敗し、2回目の結婚もうまくいかなかった。

労働者階級の悲惨さを実証主義的に描いた初期作品は売れずに苦労したが、そうした売れない作家の実生活を描いた『三文文士』が皮肉なことに文壇の注意を引いた。本作と、階級的な疎外で苦しむ知的な若者の心境を語る『流謫の地に生まれて』、そして19世紀後半に登場した「新しい女」との関連で論じられることが多い『余計者の女たち』が、ギッシングの3大小説と言われる。

日本では従来は、最晩年の随想作品『ヘンリー・ライクロフトの私記』、紀行文『イオニア海のほとり』、評論『チャールズ・ディケンズ論』の作者として有名だったが、近年は小説作品が再評価されている。